PICK UP STAGE

墨田区立錦糸中学校ブラスバンド部OBが集まって”錦中(きんちゅう)OBバンド”が結成されたのが1973年。以降”ファンタジック・ファミリー・オーケストラ”、”ブルー・ハイハット・ウィンドオーケストラ”と名称を変えながら吹奏楽の活動をしてきました。
その活動中も一般的なクラシック吹奏楽曲のみならず、ポップスや当時の流行歌を演奏する等、常に新しい試みを続けてきました。吹奏楽団でありながらドラムセットやエレキベース、キーボードを取り入れて(今では珍しくないことが、その当時は画期的というか非常識でした)吹奏楽コンクールに乗り込み、ステージ直前まで主催者側と押し問答したりしたこともありました。
このコーナーでは、そんな”ブルー・ハイハット・ウィンドオーケストラ”が”Swing Lights Jazz Orchestra”と改称して、本格的にJAZZのビッグバンドとして活動を始めた初期の頃から、トリフォニーホールのステージに立つようになるまでの間の活動を、ステージプログラムやチラシ、練習メモ等、管理人の手元に残っていた資料や記録(一部は元メンバー中島和彦氏提供)をもとに簡単にまとめてみました。現在のスウィングライツを知っていただく一助となれば幸いです。

※[PERSONNEL]、[PROGRAM]の表記はプログラムに記載された原文ママです。


1988.8.28
テルミナ トワイライトフェスティバル

(東京・墨田区・錦糸町駅ビルテルミナ5F ザ・ガーデン)

[PERSONNEL]
(記録なし)
[PROGRAM]
・ストレイトアヘッド ・イット ミーン ア スイング ・マイシェリー アモール ・ソフィスティ ケイテッド レイディー ・レッドローズ ・クインビー ・オレンジ シャーベット ・エイプリル イン パリス
[COMMENT]
おそらくスウィングライツとして最初のステージではなかったでしょうか。残っているプログラムに次のような挨拶文が記されています。
“川の手ジャズオーケストラとして再生活動を始めて、まだ少ししかたっていませんが、メンバー全員これから先が楽しみと練習にはげんでいます。現在、カウントベイシーのナンバーを中心に選曲しています。下町のベイシーバンドを自負できるように頑張って行きます。”
メンバーに関してはプログラムに記載がないのでよくわかりませんが、おそらく次の年の”第2回 DOWN TOWN JAZZ LIVE”のときとほぼ同じだと思います。
ところでプログラムでは曲目をカタカナ表記にしてあるのですが、”It Don’t Mean A Thing”が”イット ミーン ア スイング”になってます。そういえばこの頃はまだスタンダードすらかじり始めたばかりだったような…(恥)


1988.10.16
川の手 軽音楽フェスティバル’88

(東京・墨田区・両国公会堂)

[PERSONNEL]
(記録なし)
[PROGRAM]
(記録なし)
[COMMENT]
ピンク色の紙に印刷されたペラいちの案内チラシが管理人の手元に残っているだけで詳細は何もわかりません。
墨田区家庭センター(閉館)で練習しているアマチュアバンド5組による演奏会で、マンドリン楽団ありシルバー世代アンサンブルありとジャンルはさまざまでした。
会場となった両国公会堂は、旧安田庭園に佇んでいた大正15年竣工の大変趣のある建物でしたが、老朽化のため惜しくも2016年に解体されています。ちなみにこのページのステージ写真は両国公会堂のものです。
チラシの案内文を載せておきましょう。
“秋真っ盛り。スポーツに読書、その他いろいろな趣味、何をするにも最適の季節となりました。そのような中、私たちも5つのバンドによる演奏会「川の手軽音楽フェスティバル’88」を開催することになりました。『川の手』という言葉は少し聞きなれないかも知れません。山の手に対し、川に面する下町を表す言葉として、前墨田区長の故山崎榮次郎氏が初めて用いた言葉で、縦横に走る運河によって成立した墨東地域の歴史的背景をも感じさせる、素晴らしい言葉です。またこの地域は、近年ウォーターフロント地区の一部として、たいへん注目されています。そんな素晴らしい言葉にあやかって、私たちのフェスティバルも活気に溢れ、肩の凝らない気さくな音楽会にしたいと思っています。出演するバンドは構成年齢が幅広く、演奏曲目もバラエティーにとんでいて、たくさんのお客さまに楽しんでいただけますよう、ただ今一生懸命練習中です。どうぞ、御一緒に深まる秋の一日をお過ごし下さい。皆さまの御来場を心よりお待ちしています。”


1989.1.22
第2回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
<Sax> コンマス 昇、バンマス ゴロー、内田 千晶、ヤスリ・イーボ・小島、アノサの宮内
<Trumpet> アニキ 塚田、愛されて 岡田、姫 皆沢
<Trombone> スタリオン 中島、肝炎 松山
<Bythum> 天皇 松島、岩本製作所 社長、リクルート 矢野、Bassは古口
[PROGRAM]
・1st stage
1. Basie straight ahead 2. Inflammation of the bladder 3. It’s oh so nice 4. And That’s That 5. Ya! hoo! Mambo
・2nd stage
1. Take the A train 2. It don’t mean a thing
[COMMENT]
“DOWN TOWN JAZZ LIVE”は、墨田区で活動するアマチュアバンドの中で、ジャズを演奏する団体がいくつか集まって開催された演奏会だったのですが、スウィングライツのこれはかなりおちゃらけてますね。また演奏曲目も記憶にないものがあって実に怪しいです(“Inflammation of the bladder”って”膀胱炎”ですよ)。
この当時から現在のスウィングライツに在籍しているメンバーは内田千晶(現バンドマスター)と”リクルート 矢野”(矢野聡・現コンサートマスター)のふたりだけです。それにしても”リズム(Rhythm)”が”ビズム?(Bythum)”になってますねぇ…。


1989.9.24
川の手 軽音楽フェスティバル

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
<Sax> 1 コンマス 昇 2 バンマス ゴロー 3 田内 千晶 4 ヤスリ・イーボ・小島 5 アノサの宮内
<Trumpet> 1 アニキ 塚田 2 愛されて 岡田 3 姫 皆沢
<Trombone> 1 スタリオン 中島 2 肝炎 松山
<Bythum>  天皇 松島 岩本製作所 社長 リクルート 矢野 Bass 古口
[PROGRAM]
1. In the mood. 2. Of the mood. 3. By the mood. 4. For the mood.
[COMMENT]
実際に演奏した曲目は記録がなくてわかりません。プログラムはといえば、多少の変更はあっても前の”第2回 DOWN TOWN JAZZ LIVE”そのままじゃないですか。“リズム”も”ビズム”のままだし、かなりいい加減でしたね。


1991.3.10
第4回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
サックス:内田 千晶、山田 淳、東方 雅美、宮内 伸典
トランペット:塚田 博康、小島 康利、岡田 厚子、皆澤 美幸
トロンボーン:松山 洋介、松山 浩介、中島 和彦
リズム:松島 宣行、岩本 相俊、矢野 聡、古口 隆志
[PROGRAM]
(記録なし)
[COMMENT]
バンドマスター内田がプログラムに寄せた「挨拶文」・・・
“皆さんは、湾岸戦争をどう考えますか?アラブの大義を標榜するサダム・フセインと、国際秩序の堅持を主張するジョージ・ブッシュ。日本の若者の血を流させないために、90億ドルで日本のメンツを買い上げようとする海部俊樹。……そして、その問題で日夜苦悩するSwing・Lights。よろしく。”
時代を感じさせますが、最後のフレーズはもちろんシャレです。よろしく。


1992.3.14
第5回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
Sax 宮内 伸典、小田 淳、井上 雅美、内田 千晶
Trp 塚田 博康、小島 康利、皆沢 美幸
Trp 中島 和彦、松山 浩介、松山 洋介
Rythm 松島 宣行、岩本 相俊、矢野 聡、古口 隆志
[PROGRAM]
1. Qeen Bee 2. April In Paris 3. Cute 4. And Thats That 5. Switch In Time
[COMMENT]
表記間違いがいくつか…
1.PERSONNELのSaxふたりめ”小田 淳”は”田 淳”(わざとかな?)
2.PERSONNEL2列目Trpの下は”Trb
3.”Rythm”は”Rhythm”
4.PROGRAMの4曲目”And Thats That”は”And Thats That”


1992.12.6
第1回 リサイタル

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
Saxophones
宮内 伸典、富川 寿子、井上 信也、千田 亜紀子、内田 千晶
Trumpets
横山 浩一、秋山 方利、岩田 隆、岡田 厚子
Trombones
中島 和彦、安達 砂織、三門 克二、松山 洋介
Rhythms
松島 宣行、岩本 相俊、矢野 聡、古口 隆志
Vocal(guest)
水口 由美
[PROGRAM]
<1st STAGE>
・Basie, Straight Ahead
・And That’s That
・Switch In Time
・Fun Time
・Corner Pocket
・Orange Sherbet
・My Funny Balentaine
・My Cherry Amor
・A Night In Tunisia
<2nd STAGE>
・On The Street Where You Live
・Lady Is A Trump
・As Time Goes By
・It’s Oh, So Nice
・On The Sunny-Side Of The Street
・Easy To Love
・Sweet Georgia Brown
・The Queen Bee
・Shiny Stockings
[COMMENT]
初ステージから4年目にして記念すべきスウィングライツの第1回リサイタルが開かれました。会場はDown Town Jazz Liveで使い続けていた曳舟文化センターです。
この時初めてヴォーカルが入りました。2nd STAGEの”On The Sunny-Side Of The Street”と”Easy To Love”です。歌伴は経験がなかったのですが、やってみるとなかなかよろしいと味をしめたものです。
また、1st STAGEの”My Funny ~”では、ソリストの横山が客席から登場したり、2nd STAGEでは、ホーン隊がいないリズムとフロントだけの”5サックス”曲(“On The Street Where You Live”、”Lady Is A Trump”、”As Time Goes By”)を前田憲男のアレンジで演奏するなど、今に通ずる新しいこと何でもチャレンジ精神が発揮されていました。
プログラムの表記に若干のスペルミス(例:”My Funny Balentaine”→”My Funny Valentine”、他そこここ)がありますが、ご愛嬌ということで…。


1993.3.14
第6回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
Sax 1 リード 宮内 2 営業マン 井上 3 オチャ先輩 秋山寿子 4 セブンティーン 菅崎 5 バンマス 内田
Trumpet 1 ロープ 横山 2 スゴイゾ 秋山 3 愛されて 岡田
Trombone 1 ガテンしました 中島 2 美しき十代 安達 3 ホワイト 三門 4 ヨースケ 松山
Rhythm 1 天皇ノブユキ 松島 2 代表取締役 Guitar 岩本 3 コンマス 矢野 4 スーベの 灰野
[PROGRAM]
1. スウィート・ジョージア・ブラウン 2. アンド・ザッツ・ザット 3. ナイト・イン・チュニジア 4. イッツ・オー・ソー・ナイス 5. コーナー・ポケット 6. マイ・ファニー・バレンタイン 7. シャイニー・ストッキング
[COMMENT]
この表記は1989年のパターンのコピーですね。初リサイタルから日が浅いので、全曲リサイタルのプログラムからの選曲になっています。


1994.3.27
第7回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
Sax 1 引っ越します 宮内 2 出版業界 生方 3 じょん・ろーん 原口 4 卒業しました 菅崎 5 バンマス 内田
Trumpet 1 サルサ 横山 2 パパ 秋山 3 愛してるよ 岡田
Trombone 1 ヘビメタ中島 2 ナインティーン菅野 3 ホワイト 三門 4 The 篠原研一郎
Rhythm 1 もうすぐパパ 松島 2 代表取締役 Guitar 岩本 3 コンマス 矢野 4 ベーシスト 灰野
[PROGRAM]
1. Hanky-Panky 2. Country Blues 3. The Groove Master 4. Nutville 5. Easy To Love 6. On The Sunnyside Of The Street 7. Gibraltar 8. April In Paris
[COMMENT]
1年経っても同じパターン…。
それはさておき、プログラムを見るとボブ・ミンツァーのナンバーが登場していますね。そういえばこの頃からベイシーナンバー以外の現代的(?)曲想の曲を積極的に練習するようになってきました。それから、5曲目と6曲目はヴォーカルナンバーなのですが、PERSONNELにヴォーカリストの記載がありません。おそらく1st RECITALのときに歌った水口由美をゲストで呼んだのではないかと思われますが、定かではありません。
また、現テナーの生方淳がデビューしています。


1995.3.12
第8回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
Sax バンマス内田 出版業界生方 よろしく江上 脱皮菅崎 セルマー斎藤
Trumpet サルサ横山 アヤナが弱点塚田 滝ちゃん滝沢 就職します長谷川
trombone ヘビメタ中島 二十歳になりました菅野 ホワイト三門 The篠原研一郎
Rythum かって大島今松島 代表取締役Guitar岩本 コンマス矢野 altoも吹ける灰野
[PROGRAM]
1. Magic flea 2. Cute 3. Tribute 4. Frankie’s Tune 5. Flight To Nassau 6. Stardust 7. Nutville 8. Things Ain’t what they used to be
[COMMENT]
2年経っても同じパターン…。
1曲目”Magic flea”でオープニングとはチャレンジしてましたね(この曲すごく速いんです)。それと、第7回のときと同じくボブ・ミンツァーのナンバーが何曲か含まれています。
また、現メンバー長谷川浩(トランペット)のデビューステージだったようです。


1996.3.24
第9回 DOWN TOWN JAZZ LIVE

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
sax センパイ増田 出版業界生方 バンマス内田 ゴロー山田 セルマー斎藤 後輩江上
Trumpet サルサ横山 アヤナ塚田 滝ちゃん滝口 就職しました長谷川 この人があの秋山
trombone ヘビメタ中島 スタッフアルファー松山 ?三門 The篠原研一郎
Rythum the天皇松島 代表取締役ギター岩本 コンマス矢野 ベーシスト灰野 ゾージー栗原
[PROGRAM]
1. Hanky-panky 2. And That’s That 3. Wind Machine 4. Things Ain’t What Used To be 5. I Remember Crifford 6. Friends  7. Orange Sherbet 8. Shinny Stocking
[COMMENT]
3年経っても同じパターン…。
ボブ・ミンツァーとカウント・ベイシーのナンバーが中心の内容ですね。”Friends”はテナーサックスをフィーチャーした”ゴロー山田”こと故山田淳のおハコ曲でした。
また、2004年の第7回リサイタルまでリードアルトを続けた増田太一がデビューしています。そうすると増田は8年半以上リードアルトに君臨(?)したことになります。


1996.9.28
第2回 リサイタル

(東京・墨田区・曳舟文化センター)

[PERSONNEL]
Saxophones
増田 太一、江上 聡、生方 淳、宮内 伸典、内田 千晶
Trumpets
横山 浩一、秋山 方利、滝沢 隆浩、塚田 博康、長谷川 浩、山口 寅吉
Trombones
中島 和彦、三門 克二、松山 洋介、篠原 研一郎
Rhythms
松島 宣行、岩本 相俊、栗原 徹、矢野 聡、灰野 優治
[PROGRAM]
<1st STAGE>
・The Heat’s On
・And That’s That
・Things Ain’t What They Used To Be
・Wind Machine
・I Remember Clifford
・Satin Doll
・It Don’t Mean A Thing
・Fun Time
・Star Dust
・Country Blues
・Corner Pocket
<2nd STAGE>
・Tuning Up
・The Queen Bee
・Magic Flea
・I Gotta Right To Sing The Blues
・Quintessence
・My Funny Valentaine
・Orange Sherbet
・Red Roses For Blue Lady
・Switch In Time
・Marguarite
・Shiny Stockings
[COMMENT]
さすがにリサイタルとなると例のパターンは鳴りをひそめましたね。
それにしても全22曲(アンコール入れたら23曲)とはすごかったですね。しかも”The Heat’s On”やら”Wind Machine”やら”Magic Flea”やら速い曲たくさんやってますね。無謀としか言い様がありませんでした。


 

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